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リアル江戸期の魚図鑑(828asahi)

トビウオ・ギンブナ…柑種
神奈川でパネル画発見
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 江戸時代に高松藩主・松平献栽がお抱えの絵師に描かせた魚類図譜戴鮎恵野の一部とみられるパネル画4枚が、神奈川県三浦市の東京大学大学院付属三崎臨海実験所(赤坂甲治所長)で見つかった。10代将軍徳川家治に献上されたのち行方不明となっていた。魚のトゲまで一本一本正確にはり付けられており、貴重な資料となりそうだ。(清水弟)
 発見したのは動植物誌を研究している磯野直秀・慶応大名誉教授。昨年4月7日、同実験所で開催された創立120周年記念シンポジウムに招かれ講演した。講演後、会場入り口の展示ケースにあるA3判大のパネル画に気付いた。江戸時代の魚図でトビウオ、ギンブナなど計18種が詳細に措かれていた。
 香川県歴史博物館(現香川県立ミュージアム)にあった「衆鱗図」 (高松松平家蔵)とよく似ていた。「衆鱗囲」は1762(宝暦12)年に「衆鱗手鑑」を献上後に頼恭が作らせた増補版。魚類と海産無脊椎動物など計652種が描かれている。その原本である「手鑑」には魚を中心に計461種が描かれていたことが目録で分かっている。
 パネル画は「衆鱗図」の写しかと思われたが、魚名の表記の仕方が違った。「衆鱗図」にないアナゴの幼魚も描かれ、「手鑑」かもしれないと考えられた。東京・築地の「おさかな普及センター資料館」の坂本一男館長と調べ、「衆鱗手鑑」の原本かその写しにほぼ間違いないことが分かった。磯野さんは「魚のトゲまで台紙に張る丁寧な作り方は『衆鱗図』と同じ。パネル画は原本の可能性が高い」とみる。
 パネル画は明治時代、三崎臨海実験所に滞在したコロンビア大学の魚類学教授、ディーン博士が入手したもの。小林英司・東大名誉教授が交流の記念として実験所にもらい受けていた。
 コロンビア大に残っていたパネル画はいま、同大学東亜図書館に移管されている。パネル画は33枚で、魚類とウミウシなど127種が描かれていることが分かった。「衆鱗手鑑」の約3割が残っていることになる。

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